お寺は運営により檀家寺・信者寺・観光寺の3つに分類されます

檀家寺・信者寺・観光寺の特徴と運営方法

日本全国にお寺は約77,000件あり、この数は全国のコンビニの数約52,000件を大きく上回っています。コンビニよりも多いお寺ですが、運営方法によって3つに分けることができます。

① 檀家寺

家単位での信仰者(檀家)の葬祭供養一式を行い、檀家専用の墓地を境内に持っていることも多いです。檀家からの護寺会費(お寺を守る会費)やお布施などで運営されています。

② 信者寺

参拝できるお寺で、祈祷(きとう)や祈願も行っています。境内でおみくじを引いたりお守りなども購入できます。お寺を訪れた人の参拝料や特別な行事(開帳など)の際に募った寄付等で運営されています。人単位での信仰者の葬儀・供養を行うこともあるようです。

③ 観光寺

観光客・修学旅行生が多く訪れるお寺で、お寺を中心に地域一帯が観光地化されていることが多いです。主に拝観料で運営されています。清水寺(京都)や善光寺(長野)などが観光寺にあたります。

全国の寺院の大多数は檀家寺

全国の寺院の大多数は檀家寺であり、この数は檀家制度の歴史が影響していると言えます。次いで信者寺、観光寺として成り立っているのはごく少数です。

気になっているお寺が檀家寺か、信者寺かどうかということはお寺の外観で判断することは難しいでしょう。お寺のホームページ等があれば、檀家寺・信者寺と記述しているお寺もあるようです。

檀家寺・信者寺・観光寺の役割とは

運営により3つの形態に分かれるお寺ですが、いずれも「仏教の教えを知り、生かしてほしい」という考えは一致しています。

檀家寺は、先祖供養を行うことで檀家の心を癒し、これからの家族繁栄を願う

信者寺は、個人単位で幅広く信仰を募り、今を生きる人の心願成就を願う

観光寺は、受け口を広くとり、素晴らしい仏閣建築物や貴重な仏像から歴史や学びを伝える

それぞれのお寺には、このような役割を持って共存しているのではないでしょうか。