江戸時代まで庶民はお墓がなかった?!お墓の歴史

現在のお墓の形態となったのは意外と最近

現在のお墓は石材で造られ、家族単位で埋葬する「先祖代々のお墓」が一般的です。実は「先祖代々のお墓」が普及したのは、江戸時代後期に入ってからのことです。

では、それ以前はどのようなお墓だったのでしょうか。

江戸時代まで庶民は共同墓地に埋葬していた

かつて石塔のお墓を建てることのできるのは有力な貴族や武士だけでした。建てられたお墓は現代にみられるような家族単位ではなく、個人単位もしくは夫婦単位で建てられていたのです。庶民は共同墓地に埋葬し、お墓はもっていませんでした。

江戸時代に入り、家単位の観念が広まり、それとともに家単位のお墓が普及していきました。

一九〇〇年代以降、石の採掘技術が進歩し、経済的にも豊かになったことから石を重ねた立派なお墓の形が広まっていったのです。

お墓に対する意識の変化

近年では都市移住や少子化等の理由から将来お墓を守る後継者が不在となり、無縁墓になることを懸念して「血縁にとらわれないお墓」を選択する人も増えてきています。具体的には「永代供養墓」や「樹木葬」「散骨」等です。

今までも時代とともに形を変えてきた「お墓」ですが、これからも変化を遂げていくのかもしれません。