宗派によっても違いがあった!線香のあげ方

線香とは

日常での仏壇参りやお墓参りに用いられます。棒状のお香の先端に火をつけ、手であおぎ火を消して香炉に立てます。(宗派によっては線香を香炉に寝かせる)。

線香をあげる意味

① ご先祖様・故人と繋がりやすくなる

お盆や彼岸など仏様は香煙を頼りに仏壇やお墓に帰ってくると言われています。また、葬儀の際は香煙を頼りに極楽浄土へ向かうとも言われています。手を合わせる前に線香をあげることは、私たちと仏様を繋ぐ道しるべになっているのかもしれません。

② その場の空間を清め、仏様と向き合う「場」がつくられる

線香をあげたときの香りや煙には使用者やその周囲を清めるとされています。私たちが仏壇やお墓参りに線香を上げる行為は、無意識のうちに仏様と向き合う準備をしているということですね。

基本的な線香のあげ方

① 線香を手に取り、ろうそくの火を線香へつける。

② 線香についた火を、手で扇ぎ消す。(口で吹いて消してはいけません。)

③ 香煙が上がる線香を香炉に立てる。(浄土真宗は寝かせる)

線香の火を口で吹き消してはいけない理由をご存知でしょうか。

口は嘘偽りを述べたりすることもあるため、穢れたものとされています。線香やロウソクの火を吹き消すことは無作法となり、控えなければならないとされています。

手で扇いでも消えないことがあり、ついつい吹き消したくなることがありますが、その場合は線香を下へスッと引く(振り下ろす)ときれいに消えます。

宗派別 線香のあげ方

宗派 線香の本数香炉への供え方
天台宗1本または3本立てる
真言宗3本立てる
曹洞宗
1本立てる
臨済宗1~3本立てる
日蓮宗1本立てる
浄土宗1本立てる
浄土真宗1本(香炉に入りやすい長さに折る)寝かせる(火をつけた方を左側に)
※地域や考え方によっても違いがある場合があります。

※必ずしも決められた本数を供えなければならないわけではありません。参考までにご覧ください。

葬儀や法要の際に手渡す「香典」の由来は線香代?!

仏様の食事は「香り」であり、線香をあげて良い香りを出すことは仏様への最高のお供え物であると考えられていました。そのことから、昔は人が亡くなると葬儀に参列した人は仏前に持参した香を供えていたのです。現代では、香は式場で用意され、香の代わりとして現金が渡されるようになりました。香典は「包んだお金で仏様へお香をあげてください」というところからきているのです。