第5回 【お墓の付属施設とは?】
お墓の付属施設は、以下のようなものがあります。
①カロート(地下納骨施設)
遺骨を埋蔵するための施設で、お墓で最も重要な部分です。最低限カロートさえあれば、立派なお墓です。カロートは地中に石造りで設置し、中に棚のあるものとないものとがあります。
②花立て
一般的には下台石の前、水鉢の両脇に設置します。台の上に花立てが固定されているものと、花立ての抜き差しが自由なものとがあります。
③水鉢
台石を浅くくりぬいたものが一般的です。清浄な水を満たします。
④香炉・香立て
お墓の一番手前に置かれるのが一般的です。線香を寝かせて置けるように、石をくり抜いたものを香炉、線香を立てられるようにしたものを香立てといいます。
⑤拝石
拝むときの場所となる石です。お墓の一番下の芝石とは別に設置します。
⑥塔婆立て
墓石の背後に設置します。境界石の上などではなく、お墓の敷地内に設置します。
⑦境界石・外柵
お墓の区画を明確にするために、隣接するお墓との境界線に設置します。
☝これら①~⑦の付属施設は、仏式のお墓では最低限必要なものですが、塔婆を立てない浄土真宗では、塔婆立ては使用しません。
敷地にゆとりがある場合、以下のような施設も設置することができます。
①墓誌
埋葬者の戒名、死亡年月日、享年、俗名などを刻みます。
②灯籠
左右一対として設置したり、一つだけ設置したりします。墓前灯籠が正式ですが、庭園用の雪見灯籠などを置くこともあります。灯籠を設置すると、灯をともさなくても、灯をともしていると同じ功徳があると言われています。
③手水鉢(つくばい)
手を清めるためのものですが、心身を清めるという意味もあります。
④物置台
石の低い台で、参拝者の荷物置き場です。
⑤名刺受け
参拝者の名刺をうけるものです。ポストのような形になっているものが親切です。
⑥門柱
周囲を玉垣などで囲む場合に、門柱を付けたりします。
⑦供物台
供物を載せる台です。墓石の近くに設置するのが一般的です。
⑧化粧砂利
墓域内に敷きます。
⑨植木
多くは常緑樹が選ばれます。低く、こんもりと刈り込むのが一般的です。根がお墓を痛めるおそれがあるので、墓石近くは避けます。