「終活」によって得られること4つと注意点2つ
「終活」によって得られること4つ
人は年齢を重ねると、親しい人の旅立ちを見送ったりする回数が次第に増えていき、自分の「死」に関することも意識し始めるものです。近年では「人生の終わりについて考える活動」=「終活」が話題を呼んでいます。
しかし、「終活」を行うこと自体、縁起でもない!まだまだ大丈夫!という考えを持つ人もいます。「終活」を行うメリットとは何なのでしょうか。ここでは、「終活」によって得られること4つを詳しく見ていきます。
① 自分の意志を伝えておくことで、もしもの時に慌てずに済む
・もしも自分が倒れて回復の見込みがないと分かった時、延命治療をするかしないか
・もしも自分が亡くなった時、葬儀はどのような規模で行うか
「もしも」のことは突然やってくるものです。自身の意志を残さなかった場合、家族は精神的・時間的ゆとりのないまま重要な事項を決定しなければなりません。家族が決断したとしても、その判断が本当によかったのか、悩みや後悔を抱え込む方もいます。
自分の意志を家族へ伝えておくことで、家族はもしもの時に慌てず、正しいと納得して判断ができるようになるのです。
② エンディングノートを書くとこれからすべきことが見えてくる
一度きりの人生、悔いなく生きたいものです。しかし、悔いなく生きた!と宣言できる人は決して多くはないでしょう。「終活」では、エンディングノート等に自分史を書いたり、「やり残した事柄」を書き記すことができます。その作業をすることで、自分のやるべき事が見えてくる方もいます。残りの人生をどのように生きるかを考えるきっかけとなり、前向きに過ごすヒントを与えてくれるのです。
③ 家族が後で揉めないよう準備ができる
自分がいなくなった後、遺産相続がきっかけとなり、家族の間に亀裂が入るのは誰だって望まないことです。事前に自分の意志を伝え、家族間で話をすることで後々揉め事が起こるのを防ぐことができます。財産が多い・少ないは関係ありません。「終活」で遺産相続・分配方法を学び、目に見えるかたちで自分の思いを残しておきましょう。
④ 家族が別れ方・供養の方法について悩まず納得できる
亡くなった方を送り出す家族は、葬儀や埋葬方法・供養について決められた時間の中で決断しなければなりません。しかし、家族はお別れの方法・納骨の方法は本当にこれでよかったのか、確認したくても既に亡くなった方に確認することもできないまま悩む方も多くいます。家族が苦悩する背景には、それだけ現代において葬儀・埋葬方法の選択肢が増えたことがあげられます。
故人の思いを家族が知っていたなら、納得できるかたちでお別れをすることができます。「終活」は、残される家族側にとっての負担を軽減することができます。
「終活」で注意すべきこと2つ
これまで、「終活」を行うことによって得られることを紹介していきましたが、「終活」に関する2つの注意点も書いておきたいと思います。
① 高齢者を狙った悪質な業者や詐欺をおこなう者もいる
「終活」という言葉を利用して不安をあおり、実際は不要な契約を結ばせたり、商品を購入させたりする業者も存在するようです。
少しでも不審に思うことや理解できないようなことがあれば、すぐに判断することは避け、家族や知人に相談してください。
② 「終活」はひとりだけで行わず、家族や知人と一緒に
自分だけで判断して「自分の意志」として残すと、内容によっては後々残された家族は困惑することもあります。自身の要望と家族の希望が大きく異なることもあると念頭においた上で、話をしておくと良いでしょう。