新しい供養のかたち、「送骨」という考え方

遺骨を寺院に送る「送骨」とは?

送骨とは、手元にある遺骨をゆうパックを利用して寺院に郵送し、寺院が遺骨を供養することをいいます(平成28年7月現在、遺骨の郵送を受け付けているのはゆうパックのみ)。寺院に到着した遺骨は、永代供養墓に納骨し、供養されます。

「遺骨を郵送するなんて!」という声もありますが、一方で全国の送骨の件数は年々増加傾向にあります。関東の葬儀は5件に1件が直葬(亡くなった後、葬儀をせずにそのまま火葬すること)という時代。供養する人の世代交代や核家族化などによって宗教行為に対する意識の変化によって生まれた供養の方法といえます。

 

送骨はこのような方が利用しています

・事情があり納骨に行けない・立ち会えない方

・手元供養(自宅供養)している遺骨を供養してもらいたいと考えている方

・お寺との付き合いがない方

・お墓がない方・お墓があっても、将来お墓を管理してくれる人がいない方

・子供に負担をかけたくない方

送骨のメリット・デメリット

メリットデメリット
・お墓を継ぐ人がいない場合や、子供がいても負担をかけずに供養してもらえる。

・お墓を建てるより費用の負担が少ない。

・お寺の檀家にならなくても良い。

・生前予約できる。
・他の方の遺骨と土に還す(合祀)すると、遺骨を取り出せない。

・親族ではなく、他の人と一緒に入ることになる。

 

送骨にかかる費用

費用は送料込みで3万円~10万円前後です。その他に、希望すれば戒名をつけていただけたり(戒名代2万円~)、墓誌に納骨者の名前を彫字してもらうこともできます(彫字代3万円前後)。

 

送骨は、納骨について悩まれている人がおり、寺院がその悩みに応える形で始まった、新しい供養の形です。送骨には賛否様々な意見があります。良い悪いで判断するのではなく、何よりも大切なことは故人を弔う気持ちです。事情により自分で納骨が困難な場面に直面することもあるかもしれません。そんな時にこのような供養の方法があることも知っておくと、納骨についての悩みが解消され、安心して供養することができるでしょう。